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泉美木蘭
2017.7.24 03:52

加戸前愛媛県知事のおそるべき言い分。

午前中の衆院予算委での加戸前愛媛県知事のおそるべき言い分。
文部省OBの加戸氏は、後輩のもとを訪ねて獣医学部新設について
説得を試みたという。
しかし、先輩に敬意は表するが、冷たくあしらわれた、と。
そのときに加戸氏が言ったという言葉がすごい。

「理屈はいい。でも考えてみてくれ。愛媛はこんなに困ってる。
アメリカはすでに感染症、ライフサイエンスの重要性を認識して、
獣医学部の大幅増員と新設に踏み切ってもいる。
わたしは愛媛県知事として道州制推進論者でしたから、
仮に四国州ができて、日本人は認めないといったら、
アメリカの第51州にいれてもらって、すぐ獣医学部を作って貰う。
恥ずかしくないのか?」

恥ずかしくないよ!
アメリカがこうだから日本も同じようにしなければ、だから愛媛に
獣医学部を作るのだ、というのは理屈としてつながらない。

そもそもアメリカのように、目下人口増加中の国と、
人口も家畜の飼養戸数も減少に向かっている日本とでは、
同じ危機管理でもやり方が異なるだろう。
パンデミックの危機を煽って「だから愛媛に獣医がいる」という
言い方はあまりに粗雑で、「テロが危険だから共謀罪は必要」に
通ずるものがある。

獣医学部作ってもらえないなら四国をアメリカの51番目の州に
入れてもらってでも…なんて、四国の人が聞いたらどう思うの?

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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